こんにちは、石留です。
今回は、無料プランについて考えてみました。
ちょっと攻めたタイトルにしちゃいましたが、このところ、よく考える内容です。
家づくりを考え始めると、
「何社かに相談して、それぞれに間取りを作ってもらって比較してみよう」
という方は多いと思います。
実際、住宅会社によっては、無料で何度も打合せをしながら、プランを提案してくれるところもあります。
家族の希望を聞いて、間取りをつくる。
「ここをもう少し広くしたい」
「収納を増やしたい」
「子ども部屋はこっちにしたい」
そんな要望を聞きながら、何度も修正してくれる。
もちろん、そこには設計する人の時間と労力があります。
だから、「無料だから適当に作っている」と言いたいわけではありません。
むしろ、真剣に対応してくださっている会社もたくさんあると思います。
それでも私は、ひとつの疑問を持っています。
無料で何度もつくられる「プラン」と、これから何十年も暮らす家を本気で「設計する」ことは、同じなのだろうか。

打合せ中の建築士 山本(2024年入社)
間取りをつくることと、設計すること
間取りを考えるとき、部屋を広くしたり、収納を増やしたり、動線を変えたり。
一見すると、パズルのように組み替えていくこともできます。
お客様のご要望を一つずつ入れていけば、希望に近い間取りになっていく。
でも、本当に大切なのは、その先です。
その家族は、どんなふうに一日を過ごすのか。
家族がそれぞれ、どんな距離感で暮らしたいのか。
子どもが成長したら、家の使い方はどう変わるのか。
光はどこから入るのか。
風はどう通るのか。
庭と家をどうつなげるのか。
その土地だからこそできることは何なのか。
そして、
その間取りは、構造的に無理なく成立しているのか。
上下階の柱や壁、梁などが適切につながっているのか。
無理に部屋を動かしたことで、構造が複雑になっていないか。
必要以上に梁を大きくしたり、補強を増やしたりすることになっていないか。
そうしたことを考えるのも、設計です。
さらに、
その間取りを、どのくらいのコストで実現できるのか。
同じ面積の家でも、間取りや構造のつくり方によって、必要な材料や施工の手間は変わります。
「この部屋を少し広くしたい」
「ここに壁を動かしたい」
という一つひとつの希望をパズルのように入れていった結果、構造が複雑になり、材料や施工の手間が増え、最終的なコストが高くなってしまうこともあります。
だから私たちは、単純に「要望を全部入れた間取り」をつくればいいとは考えていません。
暮らしやすさ。
デザイン。
光や風。
構造。
性能。
そしてコスト。
それらを一つの住まいとして成立させる。
そのバランスを考えることが、設計だと考えています。
だから、
「間取りを何度も修正すること」と「その家族の暮らしを深く考え、構造やコストまで含めて住まいを成立させること」は、似ているようで少し違う。
私たちは、その違いを大切にしています。

提案例。
間取りだけにフォーカスするのではなく、敷地全体の中で建物を捉えていきます。
私たちは、最初に間取りをつくりません
正工務店では、いきなり具体的なプランをつくることはしていません。
まずは、家づくりについてお話しします。
どんな家をつくっているのか。
なぜ、この性能や素材を選んでいるのか。
どんな暮らしを大切にしているのか。
資金計画はどうなのか。
敷地にはどんな可能性があるのか。
実際の住まいを見ていただくこともあります。
そうした時間を過ごした上で、
「ここで家づくりを進めたい」
と思っていただけたら、住まい計画のお申込みをいただきます。
そこから、具体的な設計が始まります。
住まい計画のプランは「一発勝負」ではありません
ここは、私たちが大切にしているところです。
住まい計画のお申込みをいただいたら、
「はい、これが完成した間取りです」
と一つの案を出して終わり、ではありません。
提案したプランを見ていただいて、
「ここはもう少しこうしたい」
「この動線は違うかもしれない」
「やっぱりここはこうしたい」
そんな話をしながら、一緒に考えていきます。
必要であれば、何度でも検討します。



プレゼンボードや模型、3Dパースを使ってイメージをして頂きます。
無料だから悪い、という話ではありません
もちろん、無料でプランを提案することにもメリットはあります。
何社かの提案を見れば、それぞれの会社の考え方や設計の違いを知ることもできます。
ただ、そこで気をつけたいのは、
「一番気に入った間取りの会社を選ぶこと」と「自分たちに合った家づくりをしてくれる会社を選ぶこと」は、必ずしも同じではない
ということです。
間取りは、とても大切です。
暮らしやすさを左右する、大切な要素です。
でも、間取りだけでは家は完成しません。
その間取りが、どんな考え方から生まれたのか。
どんな性能や素材と組み合わされるのか。
どんな暮らしを想定してつくられたのか。
そして、その会社と何度も話をしながら、本当に納得できる住まいをつくっていけるのか。
そこまで含めて、家づくりだと思っています。
「無料の一案」ではなく、「本気の一軒」を
私たちは、無料でたくさんのプランをつくることよりも、
一つの家を、本気で考えること。
そのために時間を使いたいと考えています。
だから、プランをつくる前に、まずお話をします。
家づくりについて知っていただきます。
私たちの考え方を知っていただきます。
オーナー様の家を一緒に訪問して直接話を聞いたり、
私たちの家を肌で感じて頂きます。
そして、
「この人たちと一緒に家をつくりたい」
と思っていただいてから、具体的な設計を始めます。
その後は、納得できるまで一緒に考える。
それが、私たちの住まいづくりです。
無料であることよりも、
その家族のために、どれだけ深く考えられるか。
私たちは、そこに時間を使いたい。
だから今日も、ひとつひとつの住まいと向き合っています。



実際に住んでいるオーナー様のお宅を見学して、全館空調の住み心地を聞いたり体感も可能です。