不動産の価値は一にも二にも土地が大切。
ということを以前、参加したYKKAPフォーラムでさくら事務所の長嶋修さんという方がおっしゃっていました。
確かに不動産的には、どんなに良い建物でも、山奥や田舎に建っていたら資産価値が下がる。
もちろん、資産価値と個人の価値観は違うので自分が一番よいライフスタイルであれば田舎でも海辺でも、どこでもよいと個人的には思いますがやはり土地の価値は無視できません。
特に将来、家を売却したいとか子供に相続するという場合には資産価値は大事だと思います。
長嶋さんのお話で特におもしろかったのが「立地適正化計画」について。聞いたことありますか?立地適正化計画って。
国土交通省のHPに詳しいことが書いてあるのですが、簡単に言うと、人口少なくなってきたからみんな同じ場所に固まって住もうよ。
コンパクトシティにして福祉や交通の便も効率よくしましょうよ。という内容です。立地適正化計画というワードで検索したらすぐでてきます。
これ、裏返すと、インフラ整備するのが大変な田舎や、津波なんかの災害が多そうな海辺はそのうちこの適正化計画から外されて、土地の価値ひいては家の価値も下げると長嶋さんは言っているんですよね。
それで、宮崎での立地適正化計画ってどうなっているのかなと思い検索してみたら、もうすでに、5回の審議が行われていました。
それで、「居住誘導区域」というのが設定されるかもしれない話がでているのです!
内容は、立地適正を行うにあたり居住誘導区域を設定する。
そして、津波によって2m浸水する場所は居住誘導区域から外すという内容です!
土砂災害危険区域が設定されてから、この区域に指定された土地は不動産価値が下がってしまうということがありましたが同じようなことが起こりえます。
2mの浸水といったら、市内でもたくさんありますよね。
もしも居住誘導区域が確定したら、土地売買の際は重要事項説明での説明が必要になるでしょう。
標高の高い場所の土地価格がますます高騰し、居住誘導区域の外に該当する土地は、さらにさらに価格が下落することが容易に推測できます。安全な場所の土地は手に入りにくくなり、今、標高が低い場所に住んでいる人、海岸沿いの人の土地はますます価値がなくなりますね…
今現在、人が住んでいるところをでていってもらって、誘導してこうとするんですから、住んでいる人の感情的にも、いろいろ大変だな~と思います。
審議会では、100年単位くらいで、津波浸水地域に住む人々は移動していくようにした方がいいという話になっているようです。
あくまで誘導するということで、強制ではありませんが、土地の不動産価値に影響するのは間違いないですよね。
それなのに宮崎市では、区画整理事業として津波浸水地域にも住宅地を広げていっていることを京都大学の教授の方にも指摘されていました。
このことは私もニュースでみましたが、戸敷市長はこの指摘に対して「用途地域として住宅を建てることが禁止されていない場所に住宅を建てることを抑制はできない」と言っていました。でも、区画整理事業で新たな住宅地を浸水地域につくっておいて、今度は居住誘導区域から外れるので住まない方がいいですよって、おかしいですよね~
立地適正化計画の話がでる前から事業として始まっていたことなのでしょうがないのでしょうが…
一言で言ったら先見の明がなかったということなのだと思います。
すべては少子高齢化から始まった、コンパクトシティへの流れからきています。水道等のインフラがない場所に、新たなインフラを整備してまで住宅地を拡大することは防がなければいけないと思いますが
宮崎にとって一番良い街の形はなんなのか
みなさまはどう思いますか?